★ 債券とは? 新発債と既発債
公共機関(国、地方政府、国際機関など)、銀行、一般事業会社などの債券発行体が、資本市場において投資家から資金を借入れる場合に発行される証券証書です。通常の借入と違って、発行された債券は、内外資本市場において売買されます。新規に発行される債券を新発債、その後資本市場で売買される債券を既発債といいます。

★ 国内債券、外国債券、外貨建債券
日本国内において、国内発行体により、円建てで発行される債券を『国内債券』、それ以外を『外国債券』と言います。外国債券のうち、外貨建で発行される債券を『外貨建債券』と言います。
★ 債券の基本用語
| 用語 | 説明 |
| クーポン (利金、利息、利札) |
債券で定期的支払う金利をクーポン、または利金、利札と言います。年2回半年ごとの支払い(利払い)が一般的ですが、年1回、年4回四半期ごと、毎月支払いといったものもあります。クーポンのないものもあり、ゼロクーポン債と呼ばれます。 |
| 利率 (年利率) |
クーポンの年率を言います。利率(年利率)が4.0%の債券で利払いが年2回クーポンの場合、1回あたりの利払い額は額面の2.0%となります。 |
| 償還期日 (満期日) |
債券の最終償還日(元本返済日)を言います。通常の債券は事前に決められた償還期日に一括返済されます。 |
| 額面 | 10万円、100万円、千ドル、1万ドルといった、債券の取引単位のことを言います。最低額面金額が定められ、売買取引はその整数倍の額面金額により行われます。 |
| 価格 | 額面に対する取引価格を言います。一般的に新規発行価格と償還価格は100%となります。既発債取引では市中金利や発行体の信用状況に応じて価格は変動します。例えば額面100万円の債券を価格99%で取引する場合の売買価額は100万円x99%=99万円となります。(別途、前回利払い日から受渡日までの日数(経過日数)について、日割計算(片端)した利息相当分の経過利息の受渡しが発生します。経過利息について詳細は債券の経過利息) |
| 利回り | 債券の「利率」、「償還期日までの期間」、「価格」により計算される1年あたりの債券投資利回りを言います。計算にあたってクーポンの再投資利益を勘案しないものを『単利』、再投資利益を加味したものを『複利』と言います。既発債の取引は「価格」または「利回り」で行われ、どちらか一方が決まれば自動的にもう一方も決まります。 一般的に、国内で発行される債券は「単利」、海外で発行される債券は「複利」で取引されます。 |
★ 債券の種類(スキーム)
債券は、クーポンや償還価格などの設定の方法により様々な種類(スキーム)があります。主な種類は下表のとおりです。それぞれを組み合わせたスキームもあります。
| 種類 | 説明 |
| 固定利付債 (確定利付債) |
最も一般的な種類で、クーポン利率が確定し100%の価格で償還されるものを言います。通常は、市場利回りと同等のクーポン利率として、100%の価格で発行されますが、市場利回りよりも低いクーポン利率とし100%未満の価格で発行される場合があります。これを『低クーポン債』と言います。 |
| ゼロクーポン債 (割引債) |
発行価格を低く設定し、クーポンを支払わない債券です。投資家は償還差益(発行/取引価格と償還価格100%との差)を享受します。米国債などには固定利付債の元本部分と各クーポンを分離した債券があり『ストリップ債』と言いますが、これもゼロクーポン債の一種となります。 |
| 変動利付債 | 毎回のクーポン利率が一定の指数などに連動して決定される(変動)債券を言います。指数として利用されるのはLIBOR(ロンドン銀行間取引金利)などの短期金利が一般的です。 |
| 仕組債 | クーポン利払い金額や元本償還金額が、一定の仕組みで決定される債券を言います。為替レートや株価指数などに連動してクーポンまたは償還金が決定する「インデックス債」は仕組債の一種です。 |
| デュアルカレンシー債 (二重通貨債) |
仕組債の一種です。発行通貨とクーポン利払いが円建て、償還通貨が外貨建てとなる債券を「デュアルカレンシー債」と言います。発行通貨と償還通貨が円建て、クーポン利払いが外貨建てとなるものを「リバースデュアルカレンシー債」と言います。 |
| 期限前償還条項付債券 (コーラブル債) |
発行体の任意や予め決められたルールにより最終償還期日より前に償還される条件が付けられた債券を言います。 |
内外金利差を享受する(外貨建債券の場合)
円は歴史的な低金利状態が継続しており、外貨建債券に投資することにより内外金利差を享受することができます。
ただし、投資債券の通貨に対し円高となった場合には、円換算による利回りが低下、円利回りを下回ったり、場合によってはマイナス利回りになります。逆に、円安になった場合には、投資債券の外貨利回り以上の円換算利回りを享受できます。
各国の5年国債利回り (2011年11月25日現在 トムソン・ロイター社のデータをもとに作成)

BRICS諸国など新興国の通貨では、上記先進国通貨よりも一層高い利回りを享受することができますが、為替変動性(リスク)も一般的に先進国通貨に比べ高くなりますので、余裕をもった資金で投資を行うなど留意が必要です。
各国の最新の金利情報は、債券のお取引画面の右側にチャートとともに表示しております。

なお、当社の外国債券のお取引ページでは、三菱UFJモルガン・スタンレー証券のストラテジストやアナリストが作成する最新のマクロ経済動向に関するレポートを口座開設済のお客さまに【無料】で配信しております。 長短金利差を享受する
同じ通貨、同じ発行体の場合、債券の満期が長くなるほど、通常利回りは高くなります(短期政策金利が高く、今後継続的に下がり続けると想定される場合など稀なケースでは満期が長い債券ほど利回りが低くなることもあります)。
同じ外貨投資商品でも、外貨預金の利子、外貨MMFの分配金、FX証拠金取引のスワップポイントは、全て市中短期金利に連動しますので、同じ通貨であれば通常、中長期の債券の方が最終満期まで保有した場合の利回りは高くなります。
(ご参考)
ドイツ(ユーロ建)国債の満期別金利曲線(2011年11月25日現在 トムソン・ロイター社のデータをもとに作成)

信用利回り格差を享受する
債券の利回りは発行体の信用リスクによっても変わります。同じ通貨建て債券の場合、一般的には、Moody'sやS&Pなどによる格付の高い(信用力が高い)発行体による債券の利回りは、格付の低い(信用力の低い)発行体の債券利回りよりも低くなります。
先進国の債券の場合、一般的には国債利回りが最も低く、比較的高い格付の発行体であっても国債より高い利回りを享受することができます。ただし、相対的に利回りの高い低格付の債券ほどデフォルトリスク(元利金の支払が遅延したり減額されたりするリスク)も高まりますので留意が必要です。
なお、高格付の先進国企業や国際機関などが、低格付の新興国の通貨建で債券を発行する場合、当該新興国の国債よりも利回りが低くなることが一般的です。
為替差益を享受する(外貨建債券の場合)
外貨建債券購入時より売却/償還時の為替レートが円安になれば円換算での利回りは一層高くなります。逆に円高になった場合には円換算利回りは低下、大きな円高の場合にはマイナス利回りとなることもあります。金利が高い通貨、銘柄ほど、また保有期間が長いほど、マイナス利回りとなる為替水準は低く(円高)なります。
カブドットコムの外貨建債券は、クーポン受取り、償還金ともに、円貨での受取りのほかに外貨または外貨MMF(一部通貨を除く)での受取りができます(通貨、銘柄によっては円貨受取のみの場合があります)ので、円高時には外貨のままプールし、為替レートの変動を待ち後から円に交換することや、同じ外貨の債券に外貨のまま再投資することも可能です。
たとえば、以下の表にて示す通り、クーポン4.20%の豪ドル建債券を3年間保有した場合、為替レートが1豪ドル=100円の円安であれば、12.5%の利回りとなりますが、為替レートが1豪ドル=60円の円高となった場合、-5.8%(マイナス利回り)となります。このような場合、受渡方法を外貨または外貨建MMFでの受取をお選びいただくことで為替差損を確定せず、円に交換するタイミングを検討する余裕を持つことができます。(受渡方法は、外貨建債券の購入後においても利払時点、償還時点までのタイミングでいつでも選択することが可能です。)

上表の計算は下記を前提にしています。
※クーポン収入は税引後(20%源泉徴収後の税引き)、再運用利回りは加味せず
※保有期間終了時の売却/償還価格は100%
※想定為替レートは、クーポン利払い、売却/償還時の両方に適用
債券価格差益を享受する
債券の利回り/価格は、保有期間中の市中金利や発行体信用リスクの動向によって変動します。従い、購入時より利回りが低下(価格が上昇)した場合には、中途売却により債券売却益を享受することができます。利付債の場合、債券売却益は非課税となります(償還益の場合には総合課税/雑所得)ので税務上も有利となります。ただし、債券には売値と買値との間にはスプレッド(価格差)がありますので、ご留意ください。
(満期5年、クーポン2%を利回り2%で購入、3年目に価格上昇により中途売却)
3年目の途中、価格が上昇(利回りが低下)したため売却(売却価格102)。価格差益(利付債の場合は非課税)を含む売却代金と経過利子を受け取ります。(経過利子については、下記、「債券の経過利子をご参照下さい。」

利払と売却益の合計が投資元本に対し年率何%になるかを示す所有期間利回りは下記の計算となります。
年あたりクーポン2%+(売却価格102円−購入価格100円)/所有期間2.x年}/購入価格100円×100≒3%
なお、同様の例で売却価格が98円となったケースでは、
年あたりクーポン2%+(売却価格98円−購入価格100円)/所有期間2.x年}/購入価格100円×100≒0.5%
となり所有期間利回りが低下いたします。
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債券投資のポイント 専務執行役CFO(最高財務責任者)雨宮猛 当社CFO雨宮が語る債券投資のポイント 為替・金利・信用利回りの捉え方を外部環境を踏まえ解説 (14分36秒)
関連リンク:債券取引の基礎知識 |
※下記の具体的な利回り計算例は、クーポン利払金の再投資効果を加味しない「単利」ベースとなります。
債券の利回り(年率)はクーポンと売買価格により計算されます。
債券の償還価格は通常100%ですので、一般的な利付債券の新規発行時のように売買価格が100%の場合、償還差損益が発生しないため、年あたりクーポン=利回り(年率)となります。
一方、売買価格が100%未満(アンダーパー)の場合には、満期償還時に償還差益が発生するため、その年率分、利回り(年率)は上昇します。逆に、売買価格が100%超(オーバーパー)の場合には、償還差損が発生するので利回り(年率)は低下することになります。
既発市場(セカンダリーマーケット)で売買される債券の利回りは、市中金利や発行体の信用力などによって変動します。利回りが変化すると債券売買価格も変化します。
★ 一般的な債券の場合、クーポンと償還価格は一定のため、利回りが上がる(下がる)と売買価格は下がり(上がり)ます。

(満期5年、クーポン2%を利回り2%で購入)

年あたりクーポン:2(1年あたりクーポン)÷100(売買価格)=2%…(1)
年あたり償還差益:[100(償還価格)−100(売買価格)]÷5(年)=0…(2)
償還差益年率:(2)÷100(売買単価)=0%…(3)
利回り(年率)=(1)+(3)=【2%】
(市中金利の上昇または発行体の信用力の低下などに利回りが5%に上昇)

年あたりクーポン:2(1年あたりクーポン)÷88(売買価格)=2.27%…(1)
年あたり償還差益:[100(償還価格)−88(売買価格)]÷5(年)=2.4…(2)
償還差益年率:(2)÷88(売買単価)=2.73%…(3)
利回り(年率)=(1)+(3)=【5%】
(市中金利の低下または発行体の信用力の上昇などに利回りが1%に低下)

年あたりクーポン:2(1年あたりクーポン)÷104.76(売買価格)=1.91%…(1)
年あたり償還差益:[100(償還価格)−104.76(売買価格)]÷5(年)=▲0.952…(2)
償還差益年率:(2)÷104.76(売買単価)=▲0.91%…(3)
利回り(年率)=(1)+(3)=【1%】
★ 債券価格は期間が長いほど価格の変動率(リスク)は高くなります。

下記のように、クーポンが同じ2%の債券が利回り5%の場合、満期5年の債券の価格の方が満期2年よりも大きく価格が低下します(利回りが低下する場合には、満期の長い債券の方が価格の上昇幅は大きくなります)。
(満期5年、クーポン2%の債券が利回り5%となった場合)

年あたりクーポン:2(1年あたりクーポン)÷88(売買価格)=2.27%…(1)
年あたり償還差益:[100(償還価格)−88(売買価格)]÷5(年)=2.4…(2)
償還差益年率:(2)÷88(売買単価)=2.73%…(3)
利回り(年率)=(1)+(3)=【5%】
(満期2年、クーポン2%の債券が利回り5%となった場合)

年あたりクーポン:2(1年あたりクーポン)÷94.55(売買価格)=2.12%…(1)
年あたり償還差益:[100(償還価格)−94.55(売買価格)]÷2(年)=2.725…(2)
償還差益年率:(2)÷94.55(売買単価)=2.88%…(3)
利回り(年率)=(1)+(3)=【5%】
既発債を売買する際、受渡日がクーポン利払日と異なる場合には、債券価額(額面x価格)に加え、買い手は前回利払い日から受渡日までの日数(経過日数)について、日割計算(片端)した利息相当分を売り手に支払います。これを経過利息または経過利子と言います。既発債の受渡金額は、「債券価額+経過利息」となります。
経過利息の計算方法には発行する市場等により計算方法が異なります。基本的な計算方法例は下表のとおりです。
| 発行市場 | 経過利息の計算方法 |
| ユーロ債(※) | 経過利息=額面×クーポン年利率×[経過日数(1ヶ月を30日で計算)/360] |
| 米国債 | 経過利息=額面×クーポン年利率×[経過日数(実日数)/基準日数(前回利払日から次回利払日までの実日数)の2倍] |
| 独国債 | 経過利息=額面×クーポン年利率×[経過日数(実日数)/365] |
| 豪州国債 | 経過利息=額面×クーポン年利率×1/2×[経過日数(実日数)/基準日数(前回利払日から次回利払日までの実日数)] |
| 日本国内債 | 経過利息=額面×クーポン年利率×[経過日数(実日数)/365] ※個人による売買の場合、クーポン年利率は源泉徴収税率の20%を控除 |
(※)ユーロ債とは、特定の国を発行地としない国際資本市場で発行される債券
【経過利息の計算例】
ユーロ債(年利率2.5%)を前回利払い日から90日経過後に単価100%で1万ユーロ購入した場合:
経過利息は、以下の計算により求められ、買い手側の支払いとなります。
€1000×2.5%×90÷360×10単位≒€6
個人のお客様がユーロ債を含む外国債券をお取引する場合、経過利息は非課税計算となります。実際のクーポン利払額は20%の源泉徴収課税後となりますので、次回利払日に近い日にお買付をしますと、買付日に支払った経過利息額が次回クーポン受取額(税引後)よりも大きくなることがありますのでご留意ください。
債券投資には以下の4つのリスク「発行体の信用リスク」、「価格変動リスク」「為替変動リスク(外貨建債券の場合)」「カントリーリスク(外貨建債券の場合)」があります。
契約締結前交付書面、目論見書等をよくお読みいただき、商品特性やリスク及びお取引ルール等をよくご理解の上、投資の最終決定はご自身のご判断とご責任で行ってください。
価格変動リスク
既発債市場で取引される債券価格や利回りは、その時々の市中金利や発行体の信用力などの状況により変動しますので、最終償還日前に売却する場合には、償還日まで保有した場合を前提にした予定投資利回りを下回ることがあります(上回ることもあります)。
発行体の信用リスク
発行体の財政状態の悪化、経営破綻などにより、債券の元本やクーポンの支払いが遅延、減額、支払い不能となり、損失(元本欠損)が生じるおそれがあります。
これらの事象を「デフォルト(債務不履行)」と言います。債券による発行体の債務は、一般的に株式などによる出資金よりも優先弁済されるため、デフォルトになっても必ずしも元利金相当額の弁済がゼロになるわけではありませんが、投資金額を大きく下回る弁済額となったり、当初の償還期日よりも長期にわたる繰り延べ弁済となったりすることがあります。
発行体の信用力を評価する目安として、Moody'sやS&Pなどの格付機関よる「格付」がありますが、仮に高格付であっても発行体による元利払いを保証するものではありません。
為替変動リスク(外貨建債券の場合)
外貨建て債券は外国為替市場の変動により為替レートが変動し、利息や売却代金、償還金などを受取る時点の為替レートによっては、円貨換算したときの受取額が変動し、損失(元本欠損)が生じるおそれがあります。
カントリーリスク(外貨建債券の場合)
発行体の所属する国や地域、政治・経済・社会情勢の変動などにより大きな影響を受け、債券の売買や受渡しの制限、利金や償還代金の支払いへの支障などが起こることがあります。
| 債券の種類 | クーポン(利金) | 償還差益 | 中途売却益 |
| 利付債 | 20%源泉分離課税 | 雑所得として総合課税 | 非課税 |
| 低クーポン債(※) | 20%源泉分離課税 | 雑所得として総合課税 | 譲渡所得として総合課税 |
| ゼロクーポン債 | - | 雑所得として総合課税 | 譲渡所得として総合課税 |
(※)低クーポン債とは、「著しく低いクーポン」により100%未満の割引価格で発行された債券を言います。「著しく低いクーポン」とは、債券の発行時期と償還期限の区分に応じて下表に定めるクーポン年利率を下回るものとなります。
| 【平成15年6月13日以降に発行された債券】 | 【平成15年6月12日以前に発行された債券】 | |||
| 償還期限 | クーポン年利率 | 償還期限 | クーポン年利率 | |
| 15年以上 | 0.5% | 7年以上 | 0.5% | |
| 10年以上15年未満 | 0.4% | 6年以上7年未満 | 0.4% | |
| 8年以上10年未満 | 0.3% | 5年以上6年未満 | 0.2% | |
| 7年以上8年未満 | 0.2% | 5年未満 | 0.1% | |
| 7年未満 | 0.1% | |||



























